企業主導型保育園って儲かるの?
皆さんがとても気になる話題だと思います。
企業主導型保育事業自体が平成28年度に開始されて、当初の申し込みは予定をはるかに下回る状況でしたが、徐々に認知度が出てきて保育園を持ちたい企業の方々が増え、今のような状況になっております。
ここで、なぜそんなに保育園を出したい企業が多いのか?と疑問がわきますが。
結論、儲かると思って始める人が凄く多いです。
私のまわりにも既に10数社関わりがある企業主導型保育園ができてきています。
その8割以上は助成金に魅了されて安易に飛び込んできました。
そして苦しむのです。。
実質的な、保育園の運営の大変さはまた別の機会に書かせていただくとして。。
そう。儲かるのか?という視点でいうと。。
『儲かりません』
儲かりませんが、赤字にもなりにくいと言うべきでしょうか。
そして、儲かろうと思えば儲かります。
「どっちやねん」と声が聞こえてきそうですが、正直言い方が難しいのです。
例えば
4月1日開園 定員19名 対応0歳~2歳児 11時間開所の場合
開園当初の園児数は、よくいって半数いけばいいと思います。
そこから徐々に集まりだして、半年後に定員80%~年度末頃満員。
と絵を描くと。
園児1名あたりの助成金平均15万円として(実費負担除く)
年間基本分加算 約2200万円
その他、延長保育、病児保育、一時預り、保育補助者、連携推進加算などの加算分まで実施すれば加算額 約1200万円
家賃補助が30万円として年間で 360万円
合計しても約3760万円が年間の売上となります。
ここまで見て「儲かるんじゃない?」と思ってしまうのでしょうか。
そこから経費がかかってきます。(年間)
家賃360万円
人件費2200万円
光熱費60万円
消耗品200万円
修繕費50万円
その他なんやかんや覚悟しておく費用500万円(実体験)
経費合計3370万円
差し引くと利益390万円
これが利益です。あくまで当社の概算ですが、実質こんなもんです。
ここから企業努力で、経費を削ったり、園児獲得方法など、プラスにはもっていけますが年間の売上もこの規模ならこの辺が良い筋だと思います。最初から園児が満員になることは少ないです。
借入の返済や、一気に従業員が増えることでの法定福利費上昇など気になることは多いと思います。
そして、怖いのが、利益が出れば出たで後々の助成金で調整されます。。。
運営するには相当の覚悟が必要です。
先日も書きましたが、まともに助成金が入ってくるのは運営が始まって半年後と思ってください。それも、加算額の助成金も一気に入りません。月々に分割され、年度末にまとめて入ってくる可能性が濃厚です。
ですので、1500万円の余裕金は決して大げさでもなんでもなく覚悟のお金です。
もしも、運営が厳しくなったら困るのは子供達、先生たちなのです。。。
色々な勘がざわめく人ならピンとくるかもしれませんが、保育園でのお金関係で言うと他にもいくつか覚えておいた方が得することがあります。その辺を賢くひっくるめて考えれば、決して儲からない事業ではないということです。。
でも税金や経費計上、売上科目などなど、怖い仕組みも色々と。。
色々今後書いていきますが、時間の都合上書ける範囲が狭いですので質問いただけましたらお答えします。何ももったいぶるわけではございませんのでお気軽に♪
以上!